引き継がれた愛車 ベンツ380SL(R107)
皆さま
いつもブログを見て頂きありがとうございます。
山内ガレージ 岩﨑です。
今回の修理依頼は、山内ガレージで30年以上整備させていただいた愛車を奥様が引き継がれ、出先でエンジンが止まり始動不良との事で連絡があり、緊急でレッカー搬送されたベンツ380SL(R107)の修理をさせていただきました。
このお車は、ご主人が長年大切にされていた愛車であり、ご家族の思い出を乗せてきた特別な一台です。
私が入社して間もない頃から、こちらのお車は定期的に入庫されており、大変お世話になっておりました。そのような想いも感じながら作業を進めさせて頂きました。
まずはエンジン始動不良の原因を調べていきます。
症状としては、エンジンは一度始動するものの、アクセルを踏むと停止してしまう状態でした。
点検を進めると、燃料を供給する燃料ディストリビューター本体のエアフラップの動きが非常に硬く、一度動くと引っ掛かる状態になっている事が判明しました。
このフラップはアクセル操作と連動し、吸入空気量に応じて燃料供給量を制御する重要な部品です。
原因は、このエアフラップの固着による燃料制御不良である事、さらに燃料ポンプと燃料フィルターからの燃料漏れも確認されました。

近年、オールドカーの部品は入手が非常に難しくなっております。
メーカーにも在庫確認を行いましたが、生産は終了していました。
この時点で現物修理も頭をよぎりましたが、燃料系統の修理は安全面のリスクも伴うため、山内ガレージとしてはお勧めしていません。
この時点で時間と費用もかかる事から、一度オーナー様とご家族にもこ来店して頂きました。現在の故障状況や修理方法、今後必要になる費用について細かく説明し、ご納得いただいた上で作業を進めていく流れとなりました。
当初は高額修理となる事から、修理を断念する事も考えておられたようでしたが、山内ガレージとしても、この特別な380SLを何とか復活させたいという想いがあり、その想いが通じたのか、ついにアメリカでリビルト品の在庫を発見する事ができました。
その事をオーナー様へお伝えすると、
『ぜひ部品を注文して作業を進めて下さい』
と即決でお返事を頂きました。
早速手配を行い、部品到着後に燃料ディストリビューターを交換させて頂きました。

併せて燃料ポンプ、燃料フィルター、関連ホース類も交換し、燃料漏れを修理しました。
交換後は燃圧測定やCO調整を実施し、380SL本来のエンジン性能を発揮できるよう細かくセッティングを行いました。
何度も始動テストと試運転を繰り返し、暖機後も安定したアイドリングとスムーズな吹け上がりを確認。
無事にエンジン不調は解消されました。
エンジン不調修理完了後は、車検作業もある為、各部の点検を実施します。
排気音が明らかに大きかった為、点検するとマフラーが腐食で破れており、車検が受からない状態でしたので、マフラーを外し破れた箇所を溶接にて修理を行いました。

また、下回りも長年の使用によるサビも見受けられましたので、山内ガレージではお馴染みのサビ止め処理を行い綺麗になりました。
その後、エンジンの始動性やアイドリング、加速状態などを再度点検し、各部に異常がない事を確認しました。
車検整備を実施し、無事に継続車検にも合格いたしました。
最後にオーナー様へ納車させて頂いた際、
『主人の車がまた元気に走るようになって本当に良かった』
というお言葉を頂きました。
さらに現在中学生のお孫さんも、
『将来はこの車に乗りたい』
と話されているそうです。
ご主人から奥様へ、そして将来はお孫さんへ。
一台の車が世代を超えて受け継がれていくお話を聞き、山内ガレージとしても、また私個人としても、このお仕事に携わる事ができた事を大変嬉しく思いました。
感謝しております。





















